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家族定位
家相を専門的に鑑定する時、八方位の他に、十二支方位や九星方位や家族定位を使用します。十二支方位や九星方位は少し専門的になるのですが、家族定位は、一般の人でも理解しやすいと思うので、少し解説しておきます。
十二支方位や九星方位と違い、家族定位は、生年とは関係ありません。家の中における自分のポジションによって、方位が決まっているのです。
たとえば、父親(家の主人)の方位は北西で、母親の方位は南東です。
家族定位は、各方位と関連付けられた人物の運気に大きな影響を与えます。自分の運気を良くするためには、自分の方位に当たる場所に、自分が使う部屋を設けるのが良いとされています。つまり、父親の部屋は、北西に設けると良いと考えるのです。
しかし、家族全員の部屋をを家族定位に置くのは、現実的には困難です。家相には、家族定位以外にも、優先すべき項目がたくさんあります。玄関・水回りの凶相を避けたり、生年により決定される干支や九星による凶方位を逃れようとすると、家族全員の部屋を家族定位によって定められた方位に配置するのは不可能に近いと言えます。ですから、家の主人である父親の定位だけを守るというのが、普通です。
ですから、南の方位は、家族定位を極度に意識する必要はありません。しかし、もし、手テモの面積が広く、計画に余裕がある場合は、南の定位による運気アップを試みても良いでしょう。
では、南は、家族の中の誰の方位なのでしょうか。次女の方位です。ですから、戸建て住宅ならば、二階の南側を次女の部屋にすると、次女の運気が上がります。
家族定位は、当事者の部屋が該当方位になくても、運気に影響が出ます。たとえば、次女の方位は南側です。もし、家の南側の造りが吉相ならば、次女の運気が上がり、凶相ならば、次女の運気がダウンします。
具体的に言うと、家の南側に張りがあると、次女の運気が上がります。その一方で、南に欠けがあったり、トイレや水回りがあると、次女の運気が下がります。
張り欠け
住宅を図面で見ると、家の輪郭に凹凸があります。この凹凸を、家相用語で、欠けと張りと言います。出っ張り部分を張りと言い、引っ込み部分を欠けと言います。鬼門と裏鬼門以外の方位では、張りが吉相、欠けが凶相になります。
一番良いのは、張り欠けがない長方形の家です。ですから、吉相を得ようとして無理に、張りを作る必要は全くありません。
しかし、現実的に家の設計のことを考えると、長方形の箱にすべての部屋がぴたりと納まることは滅多にありません。デザイン重視の建築家が、意図的に長方形におさまるように設計した場合を除いて、家の平面図には張りや欠けができてしまいます。
家相では、この張りや欠けが運気を決めると考えるのです。長方形の家が一番良いという事実と矛盾しているように思われるかもしれませんが、長方形の家は家運が最高に良いと考えます。それに対して、張りは、各方位の象意に関して、運気が上がると捉えるとわかりやすいと思います。
ここで問題になるのが、張りと欠けの区別の方法です。現代の家相では、四角形の一辺を三等分した長さを基準に、張りか欠けを見分けます。
一辺の長さの三分の一以下(ピッタリ三分の一の場合も含む)が張り出している場合は、出っ張った部分を張りと呼びます。残りの部分は、欠けとは呼びません。
一方、一辺の長さの三分の位置よりも長い範囲が張り出している場合、家相の鑑定時には、出っ張った部分を張りとは認識せず、残りの引っ込んだ部分を欠けと見なします。
つまり、張りよりも欠けが生じる可能性が高いと言えます。だからこそ、凹凸のある住宅は、凶相になりやすいのです。
さて、南の方位ですが、南は太陽の光が最も吸収できる方位です。陽気が最も強い方位。また、季節では夏に当たり、花が咲く季節です。この方位に張りがあるのは大吉相です。南の陽気を家にたくさん吸収できると考えるからです。
その反面、南が欠けるのは凶相です。陽気を吸収できないからです。南に欠けがあると、人の信用を失ったり、隠し事がバレてしまうという凶害があるとされています。
敷地と庭
家相は、土のエネルギーと光のエネルギーと運気のエネルギーを家に吸収することが大切です。そこで、重要になるのが宅地です。
まず、敷地の中のどの位置に、建物を配置するかが重要になります。家相では、太陽の陽気を吸収することが重視されます。太陽光線が最も降り注ぐ南の方位は、良い運気を導く方位と考え得られています。
太陽と運気のエネルギーの他に、土のエネルギーも重要です。ここで重要なのは、土のエネルギーは、太陽のエネルギーによって、高まると考えられていることです。陰陽御用でも、火生土と言って、火から土が生まれると考えられています。したがって、南側の土に太陽エネルギーが当たれば、良い土のエネルギーが生まれると考えます。
結論として、敷地の北側に建物を配置して、南側に庭を設けると、家相は吉相になります。光や風も入りやすく、居心地の良い家が実現します。
また、太陽エネルギーや運気エネルギーをたくさん吸収するためには、敷地の南側に障害物が在ってはいけません。太陽と運気のエネルギーをたくさん吸収するためには、南になだらかに傾斜した(南側が低くなった)土地が良いとされています。
また、庭の南に木を植えるのも良いとされています。太陽エネルギーを完全に遮断してしまうような大木は凶相です。しかし、植物は南と相性が良いと家相では考えるので、南に木を植えることは吉相につながります。
浄化槽
浄化槽とは、便所から出た汚物をろ過沈殿して下水道に流せる状態にするための設備です。通常、家の敷地内に、浄化槽が作られています。浄化槽には汚物が常にたまっているので、不浄の場として扱います。建物の外にあること、地下に埋まっていること、浄化槽の密閉率が高いことなどを考えると、昔の汲み取り式便所のような汚さはありません。しかし、設備のトラブルいよって、汚水の浄化がうまくいかない場合もありますし、マンホールのすき間から匂いが漏れることもあります。したがって、どこに置いても、凶相になるとされています。
少しでも、悪い運気を抑えるために、正中線と四隅線に重ならないように、浄化槽を埋めるようにします。
特に南は、陽気が溢れるとても良い方位です。その方位を汚物がたまった浄化槽で汚してはなりません。
南に窓を設け、その外に、浄化槽のマンホールがあるようでは、吉相の家が台無しになります。
また、浄化槽の他に注意すべきは、汚水桝です。家の中の水回りからでた排水は、汚水管を通って、家の外に排出されます。その汚水管の中継地に枡があるのですが、この枡も殺気がたまりやすいので、正中線と四隅線に重ならないようにします。真南に配置してはいけません。
別棟(離れ・物置)
最近は減りましたが、昔の家には、離れがありました。離れとは、別棟のことです。茶室や高齢者の部屋、客間として使われました。現代でも、大規模な住宅であれば、趣味の部屋や子供部屋が別棟に配置されることがあります。実は、別棟は、張りと同じと考えます。つまり、鬼門と裏鬼門以外の方位の別棟は吉相になるのです。(物置も別棟として考えることができます。)
別棟は吉相だと書きましたが、家相を吉相にするために、無理に別棟を作るのはよくありません。別棟は、太陽の光を妨げたり運気や土のエネルギーを遮断してしまう危険もあるからです。
大規模な住宅でない場合は、吉相にならないことが多いのです。
南の別棟も危険が伴います。南は本来、陽気が満ちたとても良い方位です。それなのに、南に別棟を立ててしまうと、太陽の光をさえぎってしまいます。大豪邸ならば、庭先や南窓の太陽エネルギーを遮断するほども害はないですが、一般的な住居で、別棟による運気アップを実現するのは難しいと考えてください。
玄関
家相では玄関の方位がとても重視されます。家の入口であると同時に、気の入口であると考えるからです。だから、昔の住宅は、玄関が広く豪華だったのです。昔は、家の規模に合わない豪華な玄関をつくることを戒める家相見もいましたが、今は、少し見栄を張って、豪華すぎるぐらいにした方が、適切な玄関になります。狭くシンプルな玄関に慣れ過ぎている現代の人の価値観で、少し豪華だなと思うぐらいのものにしたほうが、気の入口として適切なものになるからです。
玄関が貧相なイメージだど、家運がダウンします。お金をかけ、高級なたたきを敷き詰め、高級な置物を置き、運気を高めることが重要です。
また、方角も重要になります。鬼門と裏鬼門は、家相に置いては、不吉な方位とされているので、絶対に玄関を配置してはなりません。玄関を配置する場合でも、鬼門線と裏鬼門線に玄関のドアが重ならないようにしてください。
かりに、玄関が鬼門や裏鬼門の領域にあるときは、盛り塩で凶相を抑えることができます。盛り塩をしなくても、部屋を清潔に保つことで、運気ダウンを防ぐことが可能です。
南の方位の玄関は、吉相です。太陽のエネルギーを最も吸収できる方位であり、花が咲く方位だからです。
南には権威、ステイタスの意味があるので、南に玄関があると、主人が名誉を獲得すると考えられています。
水回り(便器・浴槽・シンク・洗面台)
家相では、水回りは凶相と考えます。
昔の便所は、汚物を溜める場所でした。だから、不浄の場とされていたのです。
昔の便所は、別棟に置かれるのが普通でした。本宅に置くだけで、凶相と考えられていたからです。
しかし、現代の便所は、水洗便所であり、昔ほど汚くないので、建物内にトイレがあっても構わないと家相でも考えられるようになりました。
菌が充満しやすい場所であり、殺気に満ちていると家相では考えるので、どの方位に置いても、凶相になります。殺気による害を少しでも弱めるために、正中線と四隅線に重ならないように配置します。
南は陽気に満ちたとても良い方位なので、その方位をトイレによって汚してはいけません。真南を避けるだけではなく、南の領域にトイレがこないようにすることが肝心です。
浴槽・シンク・洗面台なども、菌やカビが発生しやすい場所なので、不浄と見なします。トイレと同じように、正中線と四隅線を避けて配置します。
ガスコンロ
家相は、木火土金水の5つの気の相性によって、吉凶を判断します。ガスコンロは、火の象徴です。しかし、家相で一興を鑑定する際、ガスコンロを火の象徴として扱うことはありません。
家の中のコンロは、空気を汚します。健康に悪い殺気を放つ場所です。したがって、トイレなどと同様に不浄物として扱うのです。
本来、南は太陽が降り注ぐ火の象徴なので、火の気を持つ物を置くと吉相になります。たとえば、火の色である赤色の物とは相性が良いのです。
しかし、コンロの場合、不浄物として扱うので、南の正中線にコンロが重なると凶相と判断します。
寝室・リビング・子供部屋・書斎・仕事部屋
南は陽気に満ちた方位なので、住宅内の居室を南に配置し、南側に窓を設けるのは吉相です。
太陽に光を意識して、間取りを考えると、家相的にも吉相の家になりやすいと言えます。
車庫
車は、排気ガスを出すので、殺気を放つと考えます。
そのため、陽気に満ちた南側に、駐車場を配置するのはよくありません。
南側に面して窓を設けている家の中に、車の悪い気が、入り込んでしまうからです。
また、南の庭に太陽が降り注ぐと、土のエネルギーを高めてくれます。
もし、車のために、南の土地をコンクリートで覆ってしまうと、土のエネルギーがダウンしてしまうことになるので良くありません。